デザインにおける「経験」とは、〈実践〉に他なりません。〈実践〉に向かうためには、〈方法〉が必要です。また〈方法〉を選ぶためには、〈理論〉が裏付けとなります。さらに〈理論〉とは〈思想〉によってたどり着くものであり、その〈思想〉は「経験」によって積み上げられたものです。デザインにおける経験は、このように「円環」を成しています。

〈方法〉と〈理論〉は一般化して共有できますが、〈実践〉と〈思想〉は個人の経験に依存するものです。だからわたしたちは、さまざまな読みができる〈実践〉と〈思想〉を、「テキスト」で行き来することにしました。

それは、普段わたしたちが街を散策するときに、パースペクティブを切り替えることに似ています。〈実践〉とは、路上を歩きまわり街を観察すること。そのテキストは、わたしたちの表情や会話です。また〈思想〉とは、高い場所から街を一望すること。そのテキストは、地上でうごめく人びととその関係です。そして街がスケッチと地図によって、ひとつの紙に描かれるように、〈実践〉と〈思想〉もテキストによって統合できると考えています。

わたしたちはこの想いを、「ÉKRITS / エクリ」(écrits=書かれたもの)という名で表しました。

ここに書かれたテキストは、デザインに関わる「エクスペリエンス」から「アーキテクチャ」までを対象にしています。エクスペリエンスとは街のスケッチであり、〈実践〉そのもので、アーキテクチャとは街の地図であり、〈思想〉によって描かれるものです。

日々の〈実践〉に向かうとき、自分だけの経験(エクスペリエンス)が獲得できるように。さまざまな〈思想〉を散策して、アーキテクチャを読みとる助けとなるように。

そうやって、みなさんとわたしたちの関係も、「円環」を成していくことを願っています。

ÉKRITS 発行人 大林 寛

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Production Staff

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  • Makoto Kamimura: Logo / Font Design
  • Atsushi Akiyama: System Development / Coding
  • Takanari Sunouchi: Coding
  • Noriyo Asano: Administration / Tech Support / Information Architecture
  • Hiroshi Obayashi: Production and Design Lead / Information Architecture