ブルシット陰謀論を囁く夏、死。🚨

お揃いのタトゥー / Osoroi no Tattoo

大林 寛 / Hiroshi Obayashi

2021.08.18

ブレイクが作為の世界に於て、いかに神と握手しながら、しかし現実に於てチャブ屋で一杯やつてゐたかが問題である
春山行夫「北園克衛について」※1

熱帯夜の退屈な犯罪🦩

アイスキャンディーと蝉の抜け殻。やわらかい緑色のベイビー。子供たちにはオレンジ色に見える太陽。フィービー・ケイツの赤いビキニ。上昇する気温のせいでパンデミックも二年生。今年もいただき女子として覚悟して生きていく。ただ生きることの難しさと死ぬことのあっけなさ。長い間、眠っていたの?

呪い方を忘れてしまった者たちへの祈り。善行を語るコンピューター。白昼のスカイスクレエパア。高田馬場駅前フェンス越しのキス。たしかにそこに愛があるのにすれ違う。ジャンプショットでウチらの人生つないだら、弦楽四重奏が流れて、ロングショットの海と太陽がキスをする。ずっと象徴しててよ、世界。

ウチらに自動で重ね合わせられる字幕は常に音楽。乗り遅れたすべての音楽を耳で同時にファックさせる。どんな音がする?それがお前の中で鳴るビート。2001が永続して聞こえるのはNeptunes。福音。つまり、GOOD VIBES. グーニーズはグッドイナフ。Don’t touch my RAF.

今日もラウディなマイノリティがノイジー。非モテが非モテにモテ指南垂れてマウンティングしてる(いい天気)。眩く走り去るタイムラインのハイウェイで、バックミラーから過去を想像するのはむずかしい。知らないものへの想像力は、とっくの昔に失われてる。SNSにはもう若者がいない。Don’t trust over 30℃. 「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖な気候……※2」。華氏451度よりもHot damn.

ダンスが禁止された田舎町。あの頃のウチらは、今でも市役所のフェンスに寄りかかっていて、夜が明けるとしわくちゃになってた。誰かがわたしの背骨を蛍光灯と入れ替える。これは退屈な犯罪。ヘロインを抜いたときのキース・リチャーズみたく。季節性のメンタルデス状態で多段マルチマスクをブン回して、脳の回路が焼き切れたら、やっと夏のはじまり。

愛を開く鍵としての調号🎲

もう、Fuckin’ Japさえ分からない。ウチらstill TOKYO 2020 -o-matic. オリンピックが終わって、ヘルシーの意味が変わる。接触型の身体活動で心身の祝祭を謳うスポーツは、旧態依然のプロパガンダ。ホモソーシャルの温床としてジョックとクイーンビーを再生産する文化なき文化が終焉を迎える。新しいヘルシーにはマチズモがない。

おかえり、CECIL McBEE。ワンデーアキュビュー。七番目の天使の声。ウチらは愛を開く鍵としての調号を発明した音楽家。19世紀の詩人によるボースティング。吸いを発明したフェムテックのセクシャルウェルネス。性感帯の左乳首を大事に扱ってたら、ネトウヨに叩かれた。その後、リベラルが左乳首を擁護した。ガバガバにミームをぶち込まれてる連中のせいで、わたしの身体は政治の道具になった。ねえ、スイッチ切ったらみんな消えるの?

自己肯定に中指立てて自己破壊しろ。救いには警戒しろ。救いはアクチュアルではない。誰もこの世界の当事者ではない。いつの間にか残酷な神はいなくなって、匿名のモブが支配してる。何もしない強さや優しさは可視化されない。声なき声はかき消された。誰にもウチらをエンパワメントさせないというアティチュードは、どんな連帯よりもクソ強い。

誹謗中傷を誹謗中傷するゾンビ。クラウドファンディングは乞食2.0。スマホを触る指は阿片。メタンフェタミンよりも骨までシャブる。全部のフォビアで自分自身を切り刻む。ディシプリンに去勢されて、原罪的倫理観が加速する。あらゆる人間に“Who you are”を刻み込んで徴をつける。「ウチくる」の意味は狂うinside。SNSではみんな同時に狂ってる。狂ってたって構わない。でも狂ったフリと飛行機だけは勘弁な。

脈打つ心臓を交換するパーティー(政党)💘

もう存在様態がスニッチと陰謀論の二択しかない。陰謀論とは、全ての事象が接続されてひとつながりの敵に見えること。友敵を切り分けるイデオロジカルな価値判断と相性がいいから、みんな陰謀論者になれる。陰謀論の他に社会的紐帯や生きる意味を与えてくれるものがないところからスタートする。そうだ、ねえ、陰謀論つくろう。あなたの陰謀とわたしの陰謀をMIXしよう。ウチらだけの陰謀論。

シックの絶滅。マナーは戦争。マナーグル(講師)は戦争を教唆している。信奉するマナーによってトライブを結成し、マナートライブ間でのマナーウォーズを展開する。マナーウォーズはシンプルだ。挨拶の段階でわかる。2020年代の早い段階でマナートライブ同士の殺し合いが一般化すると予想されている。

マナーウォーズの初期段階では敵対するトライブのマナーグル(講師)を拉致するなど物理的な実力行使が中心となる。マナーウォーズの組織化、産業化が進むにつれ、セキュリティも高度になり、マナー情報戦の領域が広がり、マナーロンダリング、ドローンによるマナー攻撃などが横行して、マナーマネーは暴力と結びつき肥大する。歯は立てないで、マナーの虎たち。

This is summer madness. みんなで脈打つ心臓を交換するパーティー(政党)。パーティーなのにブルシット。エッセンシャルではなくコントラバーシャル。(’Cause it feels so empty, without…)スクールカーストのピラミッドを眺めながら、プレップスが憎い文化系最下層のマインドで半分だけ閉じられた街=世界を歩く。匕首で切れ目を入れて真珠を取り出す。だからこの神聖なクソ戯言は、無数に分裂して近代的自我を撲殺して、アンチ匿名のノーバディを言祝ぐ。マジョリティの病としての好きな言葉をここに「     」。

TOKYOは夜の4時20分🍁

いつもより犬が多い駅。交代の時間。手荷物検査。組織的犯行。一歩外に出れば物流センターと畑。フッドも無ェ。クルーも無ェ。おまわり毎日ぐーるぐる。思えばポリも五輪も5-O。ハードコアなメディックの合法ベビーパウダー。つまり、どちらもライン引いて運動会。息切れてるのに生き切れない。

社会全体の余命が、COVID-19の余命を超えるまでやっていく。増え続けるミュートワード。承認欲求から親和欲求へのデジタルトランスフォーメーション。国力を下げるサイバー口撃(クソリプ)はますます効いてる。サイバー口唇期固着は親指を使う。フラットなディスプレイにぽっかり映り込んだ口を弄り回す。こんなになってもわたしは世界との交渉を持つことはない。お腹グーパン彼氏も、最高度自発性も、試験もなんにもない。

雌犬をスパークジョイさせるランボルギーニ。性癖と支持政党には関連性がある。ノーマルな生存に意味はない。語るべきことばを持つことができない。自らの身体を掘り下げたとしても、そこには何もない。この神聖なクソ透明性。見るものと見られるものがモザイク状に内面化されてる。瞼がつねにピクついてるホーミー。ブラザーフッドもシスターフッドもない。セルフケアも相互扶助も遠い in a galaxy far, far away.

キューブリックが夢想したスペースオデッセイから20年。ぼんやりスマホを見てたらTOKYOは夜の4時20分。部屋に置かれたストロベリー・アラーム・クロック。ビジネスパーソンのためのチューリヒ・ダダ。ウィズコロナ東京かるたより、ウィズコロナで見えたもの全部をかるたにしよう。クソみたいな世界の何もかもを。TOKYO 2020みたいに時間止めたまま混在する4桁の数字。

7月23日、咳をしても1,359人
7月24日、咳をしても1,128人
7月25日、咳をしても1,763人
7月26日、咳をしても1,429人
7月27日、咳をしても2,848人
7月28日、咳をしても3,177人
7月29日、咳をしても3,865人
7月30日、咳をしても3,300人
7月31日、咳をしても4,058人
8月1日、咳をしても3,058人
8月2日、咳をしても2,195人
8月3日、咳をしても3,709人
8月4日、咳をしても4,166人
8月5日、咳をしても5,042人
8月6日、咳をしても4,515人
8月7日、咳をしても4,566人
8月8日、咳をしても4,066人
8月9日、咳をしても2,884人
8月10日、咳をしても2,612人
8月11日、咳をしても4,200人
8月12日、咳をしても4,989人
8月13日、咳をしても5,773人
8月14日、咳をしても5,094人
8月15日、咳をしても4,295人
8月16日、咳をしても2,962人
8月17日、咳をしても4,377人
(2021年7月23日~8月17日の東京都内の新規陽性者数※3

ラ・ブーム!マネキンに魔法をかける🧚‍♀️

魂のアップサイクル。輪廻のサスティナビリティを断ち切って解脱。Get dirty. Just a 呪詛。ジューシーな呪詛。WAPなケツ。1億総マイクロアグレッション。カルマ重めの日には、くすりをたくさん。Dondaけ?隣の部屋から壁ドンしてくるときにはビギーの “sometimes I hear death knocking at my front door” を想起している。底が抜けて今どこ?ディスコの床も崩壊して踊りながら昇天ハウアー。つまり、ヴィークルとしてのわたしを生きる。

あなたの街はいつも雨が降っている。雨の降る日にわたしは手紙を書く。去年の夏の気圧が今効いてきたみたい。頭痛頭痛頭痛吐き気頭痛吐き気吐き気吐き気頭痛吐き気頭痛頭痛頭痛頭痛からの生存。頭痛の種が根を張り芽を出し育っている。繁茂する頭痛。青々とした夏の頭痛。インディカ頭痛とサティバ頭痛の両方をGROWしてる。

世界はオフラインのSNS。時間の外にある無響室で絶叫してる。でも宇宙がビッグバンの残響のエコーチェンバーなので逃げられない。Sci-Fiプロトタイピング止めてアパートの共用階段の踊り場で栽培プロトタイピング。植物を規制する国家では、野党のマニフェストが大麻合法化という顛末。

自分だけのHSPをつくろう。今日もHSP(ハードコアSNS鬱ポエマー)はHSP(Happy Sad by Pizzicato Five)を聴きながらHSP(Hardcore Sex Party)へ繰り出す。深夜にはショッピングモール・トゥ・ショッピングモール。マネキンに魔法がかかって、ローラースケート履いたジェニファー・コネリーになって、手つなぎデート。ラ・ブーム!好きな服を着て、ギター弾いて、恋するウーバーヘルスエンジェルズ(つまりNOOKIEあり)。

「二千二百四十万平方キロメートルの領土にコカ・コーラの宣伝がひとつもないソ連※4」には剥がすべきラベルしかない。透明な、無数の、ペットボトルを透過し漸減する光。「あゝ麗はしい距離(デスタンス)、 つねに遠のいてゆく風景……※5」。死んだとしても泣かないでほしい。ポジティブにバイラル葬してほしい。概念を汚染してほしい。

イマジナリーソサエティの夏、死。🏖

まだだ、まだウチらは止まれない。棺桶までひたすらランナウェイ。逃げ切れないマイメンと内面を切除。下を見とけ下を。AV見たままセックスするやつと風俗で本番したがるやつを、未来警察がフェミサイド予備軍として事前逮捕する。肉食ってるやつとガソリン車乗ってるやつも、そろそろ燃やされる。自然界ではスズメバチをニホンミツバチが集団でいじめてる。それが何?膣ケアして幸せになる。

死は、壁の薄いアパートの隣室に住む神経質な善人のようなもの。ブチ切れたら何されるかわかんないけど、直接顔合わせたら下向いてボソボソ言ってる。死に追いつかれたときではなく、死に追いついたときが、そのときだ。自分(死)で自分(生存)の機嫌を取るのか、自分(生存)で自分(死)の機嫌を取るのか。どうだっていい。死んだらみんなホワイトノイズになる。

過去と未来のために現在に介入する、攻性のカルマ(業)を社会実装しよう。徴のないものの透明な憎悪を可視化する。見ていて。透明な徴(お揃いのデジタル・タトゥー)が受肉する。思想警察なんていない。中央集権型の暴力装置は歴史からフェードアウトする。これは分散型のカルマ。死んで生まれ変わっても(複数の端末にも)継続する(データ引き継ぎできる)魂の信用スコア。無数の蟻たちに徴をつける。次に会った時に、あなただってわかるように。

不幸せそうにしているから許されると思うな。目立たないようにしているから許されると思うな。隅っこにいるから許されると思うな。誰の邪魔にもならないようにしているから許されると思うな。心配しないで。すべての額に徴を刻み込む。もう一人も欠けてはならない。万人の万人による万人のための地獄を、ウチらの天国に変える。

世界は狂ってしまったの?ウチらが狂ってるの?真夜中のポエット。星空にライムを絞ったら、今日もTOKYOに雷が落ちる。ウチらからみんなへとしっとり羽化する。差異化より同一化が狂ってて好き。イマジナリーフレンドがイマジナリーソサエティに拡張される。想像を現実が追い越すなら、現実を追い越す想像をつくればいい。だってほら、オリンピックが終わって夏がはじまる。誰のものでもない、夏が。